斉が本格的に成長したのは殷周革命以降でしょうが、それ以前からも国家として存在している、決して歴史は浅くない国なのです。 ですが、周の時代になっても、なかなか諸侯に認められませんでした。 具体的には、周から爵位を賜ることが出来ず、無位無官の国家、蛮族の扱いでした。 斉が成長しても諸侯に数えられるのに時間を要した理由は、「都市国家でないこと」に求められます。 都市国家をあらためて定義すると、 「城壁に囲まれ、備蓄さえあれば決して侵略を許すことがない、当時において無敵の防御力を誇る都市形態の国家で、自給自足を建前とする」 となります。 現実には塩を初め、複数の重要物資を外部に頼らねばならなかったのですが、それでも当初は備蓄が万全ならば、外部に対する依存度は低かったのです。 これに対し斉は、 「塩以外は自給できない国家」で、必然的に交易を必要とします。 そして、交易を必要とすることは、移動をする必要が有り、一方で商業に携わる必要があります。 つまり、 中原:都市国家。自給自足が基本(故に農業重視)。定着生活を重視、商業を賎しむ。 蛮族:非都市国家(後に領土国家に発展)。自給自足が不可能(故に交易重視)。移動に抵抗なし。 (続く) 追記 真説「春秋」、真説「論語」、並びに真説「孔子」を、故宮崎市定先生に捧げます。
by 1-shikou
| 2008-04-07 20:30
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