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初代覇者の斉も、その後を継いだ晋も、その共通点は「都市国家になれなかったこと」にある。その必要条件を満たしていなかったことが幸いした。 都市国家の必須条件「自給自足」が欠けていたことで、交易を余儀なくされた結果、これらの国は「領土国家」に成長できたのである。 故宮崎市定教授が殊の外、交流と交易を重んじておられたのは、それに伴う富の蓄積が、その地域の秩序をやがて一変させるからである。 意外なことに、自給自足によっては、それほど富が蓄積できない。 勿論、ある一定の段階までは、自給自足型文明(=都市国家社会)は極めて効果的である。 しかし、文明の程度が上がれば上がるほど、皮肉にも足りない物が増える。 それは外に求めなければならないが、それでも、「領土国家の卵」の様に、絶対的に足りないのではない。 一方の「領土」国家は、「中原」の外縁部に位置しているという地理的好条件(「中原」は不足分を外に求めざるを得ない)を生かし、不利な条件を逆に有利な条件に変えていった。 「交易」が「自給自足」を上回る富を生み出すようになった時、卵は真の「領土国家」へと成長し、「中原」対する脅威に成長して行ったのである。 では何故、晋は斉を凌駕することが出来たのか。 これも交易によって説明できる。 (続く)
by 1-shikou
| 2007-12-14 20:49
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