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兵農分離がある程度進捗していた楚にあっては、一般の都市国家とは身分構成が異なるのである。 次の様になる。 公 ↓ 卿) ↓ 大夫 ↓ 士(戦闘員とその家族) ↓ ↓ ↓ 庶民(二級市民、あるいは不自由民。商工階級) ↓ 農奴 これで思い出すのは、スパルタである。 自国民は戦闘員として育成し、女性には産めよ増やせよを奨励する。 20世紀にもあった。重装備ながら、国は貧しく、しばしば襲った冷害と飢饉の度に、娘が女郎屋に売られていた国が。主産業は稲作で、男児は基本的に軍役に就き、「生存」のための生命線拡大を常に伺っていた国が。 大日本帝国という。 話を戻す。 楚は、 1)農奴を多用する集約型米作に立脚し、 2)自国民は全て戦闘員として育成し、 3)それ故、「中原」諸国では不可能な兵力の規模と、精鋭な兵卒の確保が可能になり、 4)米作ゆえ、糧秣が豊富で、 5)長期間の遠征にも耐えられた。 しかも、他にはない有利な点がもうひとつあった。 最強の水軍である。 (続く) 追記 「春秋の風 論語の心 孔子の生」の「春秋編」、「論語編」、「孔子・弟子・家族編」を、宮崎市定先生に捧げる。
by 1-shikou
| 2008-01-01 15:02
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